07.14.10:04
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06.22.00:42
新たなる世界へ。
--行動報告書 No.38 2004/パラレルシステム前--
『パラレルシステムは対象者のデータをスキャンしています……』
聞きなれた合成音声が流れ、俺の体を見えない何かが走査する。
パラレルシステム。俺たちが時間を渡り歩くために必要な装置。
俺たちの生命線と言ってもいい。
これがなけりゃ、俺たちはWITOと戦う事も出来なかっただろう。
2002年で目覚めた時は、まだ使用許可が下りなかった。
2003年に渡って、WITOと管理者の影を知った。
2004年では、さらに激化する戦いに身をおいた。
そして、今。
『スキャン完了。時間移動に必要な能力を確認』
新たな時代への、扉が開く。
『パラレルシステムの制限を解除』
この先に何が待っているか?
そんなの、行ってみりゃ分かるだろうよ。
どうせ、今よりもヒデェ事になってんだろうが、な。
『2005年への時間移動が許可されました』
へっ……お楽しみは、これからだ。
『パラレルシステムは対象者のデータをスキャンしています……』
聞きなれた合成音声が流れ、俺の体を見えない何かが走査する。
パラレルシステム。俺たちが時間を渡り歩くために必要な装置。
俺たちの生命線と言ってもいい。
これがなけりゃ、俺たちはWITOと戦う事も出来なかっただろう。
2002年で目覚めた時は、まだ使用許可が下りなかった。
2003年に渡って、WITOと管理者の影を知った。
2004年では、さらに激化する戦いに身をおいた。
そして、今。
『スキャン完了。時間移動に必要な能力を確認』
新たな時代への、扉が開く。
『パラレルシステムの制限を解除』
この先に何が待っているか?
そんなの、行ってみりゃ分かるだろうよ。
どうせ、今よりもヒデェ事になってんだろうが、な。
『2005年への時間移動が許可されました』
へっ……お楽しみは、これからだ。
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06.18.15:54
Need for Speed
--行動報告書 No.37 ???/商圏争奪戦・戦場--
くそったれ、何が起きてんだ?
足が鉛のように重い。背負ったAT-1が倍の重さに感じる。
まるで、亀のように遅い足取り。これじゃまともに戦えるわけがねぇ。
俺は舌打ちをこらえながら対戦車ロケット弾を撃つ。
だが、狙った場所に着弾しても、そこにはもう誰もいない。
そして、予想もしない方向からの衝撃。無様に地面へと転がされる。
気付いた時にはもう遅い。
そこには、ライフルを構えた敵が立っていた。
予選・決勝。今週はどっちもそんな感じだ。
ロケットを一発撃つのも一苦労。撃った後に回避なんか出来やしねぇ。
おかしい。明らかにおかしい。
何も変わっていない。何も変えてはいない。
それなのに、俺の周りだけ時間の流れが狂っている。
こいつを何とかしねぇ限り、商圏争奪戦で役には立てねぇだろう。
……こいつぁ……潮時、なのか?
いや、冗談じゃねぇぞ。まだ、終われるかってんだ……。
くそったれ、何が起きてんだ?
足が鉛のように重い。背負ったAT-1が倍の重さに感じる。
まるで、亀のように遅い足取り。これじゃまともに戦えるわけがねぇ。
俺は舌打ちをこらえながら対戦車ロケット弾を撃つ。
だが、狙った場所に着弾しても、そこにはもう誰もいない。
そして、予想もしない方向からの衝撃。無様に地面へと転がされる。
気付いた時にはもう遅い。
そこには、ライフルを構えた敵が立っていた。
予選・決勝。今週はどっちもそんな感じだ。
ロケットを一発撃つのも一苦労。撃った後に回避なんか出来やしねぇ。
おかしい。明らかにおかしい。
何も変わっていない。何も変えてはいない。
それなのに、俺の周りだけ時間の流れが狂っている。
こいつを何とかしねぇ限り、商圏争奪戦で役には立てねぇだろう。
……こいつぁ……潮時、なのか?
いや、冗談じゃねぇぞ。まだ、終われるかってんだ……。
06.03.01:16
アサルト!
--行動報告書 No.36 2003/工事現場 下水道--
……随分と久しぶりに報告書を書くことになったな。
まあ、そんな毎日は報告するような事がないって事で勘弁してくれ。
さて、本題に入るか。
今日は恒例の商圏争奪戦を終えた後、連合の仲間と連れ立って、
「アサルト」と呼ばれる超短期任務に当たった。
任務は二つ。
トランシルバニアに潜む吸血鬼の退治と、
新宿の工事現場、その下水道に現れた『ミノタウロス』の撃破。
どっちも放置すれば脅威になるってんで、早急な排除が望まれていた。
まあ、経過を詳しく書いてもいいんだが。
下書きしたら呆れるほど長くなった。
だから、簡潔に結果だけを続きで書く事にする。
……随分と久しぶりに報告書を書くことになったな。
まあ、そんな毎日は報告するような事がないって事で勘弁してくれ。
さて、本題に入るか。
今日は恒例の商圏争奪戦を終えた後、連合の仲間と連れ立って、
「アサルト」と呼ばれる超短期任務に当たった。
任務は二つ。
トランシルバニアに潜む吸血鬼の退治と、
新宿の工事現場、その下水道に現れた『ミノタウロス』の撃破。
どっちも放置すれば脅威になるってんで、早急な排除が望まれていた。
まあ、経過を詳しく書いてもいいんだが。
下書きしたら呆れるほど長くなった。
だから、簡潔に結果だけを続きで書く事にする。
04.28.22:58
魂の継承
--行動報告書 No.35 ???/商圏争奪戦待機所--
俺たちEL.Aの戦いに、終わりはない。
いつかあの懐かしい平和を取り戻すまで、戦いは続く。
だが、全ての戦士がその終わりまで戦い抜く事はできない。
先の見えない戦いに疲れ、人知れず去る者がいる。
戦う意思はあれど、やむをえない事情で武器を置く者もいる。
当然、戦いの中で志半ばにして倒れる者だって、いる。
けれど。
そうした戦士たちの魂は、後に続く戦士に受け継がれる。
それは時に戦いの知識として。
それは時に共にすごした思い出として。
そして。それは時に新たな力として。
今、俺の手の中には受け継いだ魂のカタチがある。
使い込まれたその銃は、何かを語るわけではない。
だからきっと、これは俺の錯覚なんだろう。
だけど、俺には聞こえたんだ。
銃を通して、去っていった戦士の声が。
その声は、俺にこう告げていた。
「戦い続けろ。お前が倒れる、その瞬間まで」
……いつかは俺も、この戦いに疲れて去っていくのかもしれない。
どうしようもない状況に置かれ、銃を置くのかもしれない。
銃弾か刃か。それは分からないが、戦場で倒れるのかもしれない。
だが、理由がなんであれ俺が戦いを止めるその時は。
この受け継いだ魂を、誰かに渡して倒れたい。
そう心の底から、願う。
……確かに受け取ったぜ。アンタの魂を。
俺たちEL.Aの戦いに、終わりはない。
いつかあの懐かしい平和を取り戻すまで、戦いは続く。
だが、全ての戦士がその終わりまで戦い抜く事はできない。
先の見えない戦いに疲れ、人知れず去る者がいる。
戦う意思はあれど、やむをえない事情で武器を置く者もいる。
当然、戦いの中で志半ばにして倒れる者だって、いる。
けれど。
そうした戦士たちの魂は、後に続く戦士に受け継がれる。
それは時に戦いの知識として。
それは時に共にすごした思い出として。
そして。それは時に新たな力として。
今、俺の手の中には受け継いだ魂のカタチがある。
使い込まれたその銃は、何かを語るわけではない。
だからきっと、これは俺の錯覚なんだろう。
だけど、俺には聞こえたんだ。
銃を通して、去っていった戦士の声が。
その声は、俺にこう告げていた。
「戦い続けろ。お前が倒れる、その瞬間まで」
……いつかは俺も、この戦いに疲れて去っていくのかもしれない。
どうしようもない状況に置かれ、銃を置くのかもしれない。
銃弾か刃か。それは分からないが、戦場で倒れるのかもしれない。
だが、理由がなんであれ俺が戦いを止めるその時は。
この受け継いだ魂を、誰かに渡して倒れたい。
そう心の底から、願う。
……確かに受け取ったぜ。アンタの魂を。