04.20.17:11
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01.13.13:43
2003年キャンペーン突破!
--行動報告書 No.20 2003/新宿 IMIタワー --
爆炎がIMIタワーの屋上に立ち昇った。
脱出用のヘリが、原型を留めない程に壊れている。
これで、あの女が逃げる手段は失われた。
俺は遮蔽物の陰でガッツポーズを取る。
後はあの女をぶっ飛ばし、このクソッタレな塔から脱出するだけだ。
ま、それも難しい事じゃない。
なぜなら、今の俺は一人じゃない。
頼りになる仲間が一緒なのだから。
時間は、ほんのわずか前に遡る。
IMIタワー屋上、ヘリポート。
俺はそこへと通じる扉を開けた瞬間、言葉を失った。
そこは、この世の地獄かと言いたくなるような光景が広がっている。
広くもないヘリポートの一面を、敵が埋め尽くしていた。
工事現場で見た、労働者や現場監督官。
皮のジャケットを羽織ったウェスタン・ギャングの一味。
チャイナドレスを身に纏った、見目麗しい女ども。
ヘリポートを埋め尽くすそいつらに囲まれて、奴は居た。
黒いチャイナドレスを着こなした、美しい女。
だが、その美しい外見に騙されてはいけない事を、俺は知っている。
なぜなら、奴こそがこのタワーの中で進んでいた『計画』、
その全ての裏で糸を引き、操っていた黒幕なのだから。
無言のまま、俺をここまで導いてくれた先達達が駆け出した。
赤いコートが風にたなびき、敵の群れのど真ん中へと突き進む。
手にした長柄の偃月刀が、日の光に煌いた。
鮮やかな一閃。その一太刀で、敵の群れの一角が崩れ落ちる。
流れるような動作で偃月刀を振り回し、敵の群れを切り裂いていく。
そこに、もう一人が飛び込んでいく。
白いコートの裾を翻し、振り上げたハンマーが唸りを上げる。
空間そのものを殴り潰すような一撃。
重たい鉄の塊が、赤い泥濘の中に敵を打ち倒していく。次々と。
その二人を背後から襲おうとした奴らを、紅蓮の炎が薙ぎ払う。
視線を横に投げれば、マフィアコートに身を包んだ男が、
火炎放射器のノズルを振り回していた。
敵の群れを留まることなく薙ぎ払い続けるその姿は、
まるで御伽噺に出てくる火龍のようだ。
降り注ぐ弾丸も、金切り声を上げるチェーンソーも。
振りかざされる剣も、爆炎を撒き散らす榴弾も。
何者も彼らを遮ることは出来ない。
で、俺はといえば。残念な事に彼らの後を追うのが精一杯だった。
必死になって引き金を引くが、狙いなんてつける暇がない。
RPKsの銃弾をとにかくばら撒き続ける。上手く当たればめっけもんだ。
俺の役割は生存すること。事の顛末を報告することが仕事だ。
余計な動きをして、三人の足を引っ張りたくはない。
まあ、情けない話だとは思う。
本当なら、俺が一番頑張るべきなんだろう。
……けど、レベルが違うんだ。仕方ねぇだろ!
そして、今。
『管理者』だと言われるあの女の脱出手段がぶっ壊れた。
後は最初に言ったとおり、あの女を倒して脱出するだけ。
それも、あの三人にかかれば、さほど時間は必要としないだろう。
ほら、もう視界の向こうで女の悪態が聞こえてきた。
この分なら、割とすぐに片が付きそうだ。
俺はそう確信して、先達へ感謝しながらゆっくりと目を閉じた。
全てが終われば、起こしてくれるだろう。
……実はヘリが壊れる前に地面に寝ていたのは、内緒だ。
なにはともあれ、任務完了、だ。
やれやれ。こんな任務は二度とゴメンだぜ……。
爆炎がIMIタワーの屋上に立ち昇った。
脱出用のヘリが、原型を留めない程に壊れている。
これで、あの女が逃げる手段は失われた。
俺は遮蔽物の陰でガッツポーズを取る。
後はあの女をぶっ飛ばし、このクソッタレな塔から脱出するだけだ。
ま、それも難しい事じゃない。
なぜなら、今の俺は一人じゃない。
頼りになる仲間が一緒なのだから。
時間は、ほんのわずか前に遡る。
IMIタワー屋上、ヘリポート。
俺はそこへと通じる扉を開けた瞬間、言葉を失った。
そこは、この世の地獄かと言いたくなるような光景が広がっている。
広くもないヘリポートの一面を、敵が埋め尽くしていた。
工事現場で見た、労働者や現場監督官。
皮のジャケットを羽織ったウェスタン・ギャングの一味。
チャイナドレスを身に纏った、見目麗しい女ども。
ヘリポートを埋め尽くすそいつらに囲まれて、奴は居た。
黒いチャイナドレスを着こなした、美しい女。
だが、その美しい外見に騙されてはいけない事を、俺は知っている。
なぜなら、奴こそがこのタワーの中で進んでいた『計画』、
その全ての裏で糸を引き、操っていた黒幕なのだから。
無言のまま、俺をここまで導いてくれた先達達が駆け出した。
赤いコートが風にたなびき、敵の群れのど真ん中へと突き進む。
手にした長柄の偃月刀が、日の光に煌いた。
鮮やかな一閃。その一太刀で、敵の群れの一角が崩れ落ちる。
流れるような動作で偃月刀を振り回し、敵の群れを切り裂いていく。
そこに、もう一人が飛び込んでいく。
白いコートの裾を翻し、振り上げたハンマーが唸りを上げる。
空間そのものを殴り潰すような一撃。
重たい鉄の塊が、赤い泥濘の中に敵を打ち倒していく。次々と。
その二人を背後から襲おうとした奴らを、紅蓮の炎が薙ぎ払う。
視線を横に投げれば、マフィアコートに身を包んだ男が、
火炎放射器のノズルを振り回していた。
敵の群れを留まることなく薙ぎ払い続けるその姿は、
まるで御伽噺に出てくる火龍のようだ。
降り注ぐ弾丸も、金切り声を上げるチェーンソーも。
振りかざされる剣も、爆炎を撒き散らす榴弾も。
何者も彼らを遮ることは出来ない。
で、俺はといえば。残念な事に彼らの後を追うのが精一杯だった。
必死になって引き金を引くが、狙いなんてつける暇がない。
RPKsの銃弾をとにかくばら撒き続ける。上手く当たればめっけもんだ。
俺の役割は生存すること。事の顛末を報告することが仕事だ。
余計な動きをして、三人の足を引っ張りたくはない。
まあ、情けない話だとは思う。
本当なら、俺が一番頑張るべきなんだろう。
……けど、レベルが違うんだ。仕方ねぇだろ!
そして、今。
『管理者』だと言われるあの女の脱出手段がぶっ壊れた。
後は最初に言ったとおり、あの女を倒して脱出するだけ。
それも、あの三人にかかれば、さほど時間は必要としないだろう。
ほら、もう視界の向こうで女の悪態が聞こえてきた。
この分なら、割とすぐに片が付きそうだ。
俺はそう確信して、先達へ感謝しながらゆっくりと目を閉じた。
全てが終われば、起こしてくれるだろう。
……実はヘリが壊れる前に地面に寝ていたのは、内緒だ。
なにはともあれ、任務完了、だ。
やれやれ。こんな任務は二度とゴメンだぜ……。
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