04.18.09:05
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10.08.00:13
爆炎の向こうに
--行動報告書 No.52 2002(Another)/商圏争奪戦 戦場--
弾丸が飛び交う。白刃が交差する。
銃声は引っ切り無しに響き渡り、
地鳴りにも似た足音は、いつ止むともしれない。
いつもの光景。いつもの時間。
戦争の時間だ。
今日はいつものMINIMIとは別の得物を用意してみた。
正規販売に乗る前、新しい武器の噂が聞こえだした頃から、
俺がずっと欲しいと思っていた物だ。
40mmの榴弾を1分間に109発も撃ち放ち、
いざとなれば、5連装の同時発射も可能な重火器。
その連射速度は、これまでのグレネードなんて目じゃねぇ。
鉄の雨を降らせ、目に入る全てを爆炎で呑み込むモノ。
戦場に容易く火の海を現出させうるモノ。
名前はK4。
そいつが今、俺の手の中にある。
……まあ、正直な所。
コイツの評判は決してよろしくない。
その理由は狩りで使ってみてよーく分かった。
確かに、こいつの連射能力は大したもんだ。
5連同時発射も悪くない。
だが。
『火力が低すぎる』
この一点が痛すぎる。致命的だ。終わっている。
何せ、俺らが相手にするのは、対戦車弾も涼しい顔で受け止める。
そんなイカれた化け物ぞろいときてる。
そんな化け物どもに向って、ただの榴弾を何発ばら撒いた所で、
そりゃあ焼け石に水ってもんだ。
こいつを狩りでまともに使おうと思ったら、相当いじる必要がある。
けれど、商圏争奪戦ではその話がちょっと変わってくる。
相手は同じ人間だ。
化け物の相手をまともに出来るような火力は、必要ない。
……もちろん、あればあったでいいんだけどな?
俺が目に付けたのは、榴弾の攻撃範囲とこいつの連射力。ここだ。
一発の銃弾はそれが当たらなければ被害はない。
だが、榴弾が撒き散らす爆炎はたとえ直撃しなくても、
その範囲内に収めるだけで相手に傷を負わせることが出来る。
そう考えて、以前俺はグレネードを持って連合戦に挑んだことがある。
だが、提出した報告書を見てもらえば分かるが、結果は散々だった。
次までの発射間隔が長すぎて、容易く逃げられちまう。
なら、その発射間隔が短くなったら、どうだ?
絶え間なく榴弾を撒き散らして、広範囲に爆炎をあげ続ければ?
その答えは今日、出るだろう。
K4を先んじて入手した黒猫と、二人してほくそ笑む。
主戦場に設定した近距離商圏、そのモニュメント付近は、
間断なく巻き起こる爆炎で覆い尽くされていた。
その火の海を生み出したのは、俺と黒猫の持つK4だ。
火の海から抜け出した他所の連合員を、紫電の仲間が食っていく。
倒れていく連中の中には、少なからず火傷を負っている者がいた。
読み通りだ。
実際、与えるダメージはたかが知れてる。
だがそれでも、与えていることに変わりはなく、敵はそれを嫌がっている。
争奪戦の最中は体力の回復が極めて難しい。
オマケに手傷を負うことで、戦闘不能になる可能性は跳ね上がる。
ライフルやショットガン、各種白兵武器は一撃が重い。
体力が万全ならまだしも、手傷を負ってその一撃を凌げるかと言えば、
かなり難しいと言っていい。
加えて、あちこちで巻き起こる爆炎は、相手の視界を遮る。
正確に狙う必要のあるスナイパーや、
接近しなければならない近接武器の使い手達には、
最高の嫌がらせになるだろう。
俺の仕事は敵を打ち倒す事じゃない。
そんな腕、手前にない事は百も承知だ。
なら、何をするか。何が、できるか。
その答えの一つが、これだ。
商圏争奪戦はチームプレイだ。
なら、一人か二人くらいは、徹底的に援護や妨害に回る。
そんな奴がいてもいいだろ?
5連装の榴弾を撃ち放ち、再装填の間に単発でばら撒き続ける。
燃え上がる周囲を見ているうちに、自然と笑いがこみ上げてくる。
そして、俺はその衝動に身を委ねる事にした。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去って。
戦闘終了の告知があたりに響き渡る。
K4の使い心地を理解しただけで収穫としては十分に過ぎるが。
今日は嬉しいオマケも付いてきた。
戦闘結果を示すリストの一番上に、『紫電』の名前がある。
どうやら、俺たちは今回トップの戦果を叩き出したらしい。
俺は困ったように笑うと、まだ熱さを保ったK4を見下ろした。
……おいおい。冗談にしちゃあ、ちょっと出来すぎじゃねぇの?
弾丸が飛び交う。白刃が交差する。
銃声は引っ切り無しに響き渡り、
地鳴りにも似た足音は、いつ止むともしれない。
いつもの光景。いつもの時間。
戦争の時間だ。
今日はいつものMINIMIとは別の得物を用意してみた。
正規販売に乗る前、新しい武器の噂が聞こえだした頃から、
俺がずっと欲しいと思っていた物だ。
40mmの榴弾を1分間に109発も撃ち放ち、
いざとなれば、5連装の同時発射も可能な重火器。
その連射速度は、これまでのグレネードなんて目じゃねぇ。
鉄の雨を降らせ、目に入る全てを爆炎で呑み込むモノ。
戦場に容易く火の海を現出させうるモノ。
名前はK4。
そいつが今、俺の手の中にある。
……まあ、正直な所。
コイツの評判は決してよろしくない。
その理由は狩りで使ってみてよーく分かった。
確かに、こいつの連射能力は大したもんだ。
5連同時発射も悪くない。
だが。
『火力が低すぎる』
この一点が痛すぎる。致命的だ。終わっている。
何せ、俺らが相手にするのは、対戦車弾も涼しい顔で受け止める。
そんなイカれた化け物ぞろいときてる。
そんな化け物どもに向って、ただの榴弾を何発ばら撒いた所で、
そりゃあ焼け石に水ってもんだ。
こいつを狩りでまともに使おうと思ったら、相当いじる必要がある。
けれど、商圏争奪戦ではその話がちょっと変わってくる。
相手は同じ人間だ。
化け物の相手をまともに出来るような火力は、必要ない。
……もちろん、あればあったでいいんだけどな?
俺が目に付けたのは、榴弾の攻撃範囲とこいつの連射力。ここだ。
一発の銃弾はそれが当たらなければ被害はない。
だが、榴弾が撒き散らす爆炎はたとえ直撃しなくても、
その範囲内に収めるだけで相手に傷を負わせることが出来る。
そう考えて、以前俺はグレネードを持って連合戦に挑んだことがある。
だが、提出した報告書を見てもらえば分かるが、結果は散々だった。
次までの発射間隔が長すぎて、容易く逃げられちまう。
なら、その発射間隔が短くなったら、どうだ?
絶え間なく榴弾を撒き散らして、広範囲に爆炎をあげ続ければ?
その答えは今日、出るだろう。
K4を先んじて入手した黒猫と、二人してほくそ笑む。
主戦場に設定した近距離商圏、そのモニュメント付近は、
間断なく巻き起こる爆炎で覆い尽くされていた。
その火の海を生み出したのは、俺と黒猫の持つK4だ。
火の海から抜け出した他所の連合員を、紫電の仲間が食っていく。
倒れていく連中の中には、少なからず火傷を負っている者がいた。
読み通りだ。
実際、与えるダメージはたかが知れてる。
だがそれでも、与えていることに変わりはなく、敵はそれを嫌がっている。
争奪戦の最中は体力の回復が極めて難しい。
オマケに手傷を負うことで、戦闘不能になる可能性は跳ね上がる。
ライフルやショットガン、各種白兵武器は一撃が重い。
体力が万全ならまだしも、手傷を負ってその一撃を凌げるかと言えば、
かなり難しいと言っていい。
加えて、あちこちで巻き起こる爆炎は、相手の視界を遮る。
正確に狙う必要のあるスナイパーや、
接近しなければならない近接武器の使い手達には、
最高の嫌がらせになるだろう。
俺の仕事は敵を打ち倒す事じゃない。
そんな腕、手前にない事は百も承知だ。
なら、何をするか。何が、できるか。
その答えの一つが、これだ。
商圏争奪戦はチームプレイだ。
なら、一人か二人くらいは、徹底的に援護や妨害に回る。
そんな奴がいてもいいだろ?
5連装の榴弾を撃ち放ち、再装填の間に単発でばら撒き続ける。
燃え上がる周囲を見ているうちに、自然と笑いがこみ上げてくる。
そして、俺はその衝動に身を委ねる事にした。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去って。
戦闘終了の告知があたりに響き渡る。
K4の使い心地を理解しただけで収穫としては十分に過ぎるが。
今日は嬉しいオマケも付いてきた。
戦闘結果を示すリストの一番上に、『紫電』の名前がある。
どうやら、俺たちは今回トップの戦果を叩き出したらしい。
俺は困ったように笑うと、まだ熱さを保ったK4を見下ろした。
……おいおい。冗談にしちゃあ、ちょっと出来すぎじゃねぇの?
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よぉ、相棒!
思った以上にご機嫌な得物だったな!
一人の時は弾幕も疎らにならざるをえなかったが、予想以上に二人で張る弾幕はイカシテたぜ!
俺もこれから対人戦にはこいつを担いでいくことにしたぜ。
また頼むぜ、相棒!
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