04.24.00:32
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02.20.00:16
変わり果てたその姿。
--行動報告書 No.28 2004/空港前路上--
目の前で寧猛な唸り声を上げる一匹の獣。
白いその体躯の中で唯一つ、目だけが黒い。
まるで、闇を凝り固めたようだ。
そして、そこに理性の光はない。あるのは、破壊への渇望だけ。
獣の名は、二階堂吾郎と言った。
……これが。
これが、俺たちEL.Aの指揮を執っている人物の、
成れの果てだってのか?
何の冗談かは分からねぇ。
だが、現実に変わり果てた吾郎が俺の目の前にいる。
佐々木隊長と同じだ。どこから流れてきたか知らない妙なカプセル。
それに、こいつは封じ込められていた。
この冗談を考えた奴は、最高のクソッタレだ。
けれど、俺の頭の中の事なんて、目の前の獣には関係ないらしい。
そいつは俺達に挑みかかるように、雄叫びを上げた。
そして、その雄叫びを合図に周囲を固めていた仲間が戦端を開く。
二振りの斧が閃き、ライフルの銃声が木霊する。
その間隙を縫うように、獣の体に対戦車ロケット弾が突き刺さる。
だが、獣は倒れない。
切り裂かれ、穿たれ、吹き飛ばされても。
躊躇はしない。怯みもしない。
鋭い爪でアスファルトを削り、喰らい付けば骨まで抉る牙を剥く。
咆哮と共に放たれる火炎が、路上で大破した車をさらに焼き焦がす。
火炎を避けて、獣に肉薄する。獣と俺の視線が一瞬だけ絡んだ。
獣が吼える。吼えて、その巨体を躍らせた。
爪が、日の光を跳ね返して不吉に光り、俺目掛けて雪崩落ちる。
……だが、遅い。
モーションで狙いがバレバレだ。避けることなど、造作もない。
俺は片手で帽子を押さえ、地面を蹴った。
獣の頭上を飛び越えながら、Magunam Blasterの銃口を向ける。
狙いは、がら空きの後頭部。
タチの悪い冗談は、とっとと終わらせるに限る。
俺は口元を吊り上げて、引き金を引く。
16番ゲージのショットシェルから吐き出された弾丸が、
一塊になって無防備な獣の後頭部を抉り取った。
獣が吼える。
振り向いたその漆黒の目には、確かに怒りが浮かんでいた。
だが、その動きはいまだに軽快で、まだまだくたばりそうにない。
俺はウンザリしながら引き金を引き続けた。
コイツは結構時間がかかりそうだぜ……やれやれだ。
目の前で寧猛な唸り声を上げる一匹の獣。
白いその体躯の中で唯一つ、目だけが黒い。
まるで、闇を凝り固めたようだ。
そして、そこに理性の光はない。あるのは、破壊への渇望だけ。
獣の名は、二階堂吾郎と言った。
……これが。
これが、俺たちEL.Aの指揮を執っている人物の、
成れの果てだってのか?
何の冗談かは分からねぇ。
だが、現実に変わり果てた吾郎が俺の目の前にいる。
佐々木隊長と同じだ。どこから流れてきたか知らない妙なカプセル。
それに、こいつは封じ込められていた。
この冗談を考えた奴は、最高のクソッタレだ。
けれど、俺の頭の中の事なんて、目の前の獣には関係ないらしい。
そいつは俺達に挑みかかるように、雄叫びを上げた。
そして、その雄叫びを合図に周囲を固めていた仲間が戦端を開く。
二振りの斧が閃き、ライフルの銃声が木霊する。
その間隙を縫うように、獣の体に対戦車ロケット弾が突き刺さる。
だが、獣は倒れない。
切り裂かれ、穿たれ、吹き飛ばされても。
躊躇はしない。怯みもしない。
鋭い爪でアスファルトを削り、喰らい付けば骨まで抉る牙を剥く。
咆哮と共に放たれる火炎が、路上で大破した車をさらに焼き焦がす。
火炎を避けて、獣に肉薄する。獣と俺の視線が一瞬だけ絡んだ。
獣が吼える。吼えて、その巨体を躍らせた。
爪が、日の光を跳ね返して不吉に光り、俺目掛けて雪崩落ちる。
……だが、遅い。
モーションで狙いがバレバレだ。避けることなど、造作もない。
俺は片手で帽子を押さえ、地面を蹴った。
獣の頭上を飛び越えながら、Magunam Blasterの銃口を向ける。
狙いは、がら空きの後頭部。
タチの悪い冗談は、とっとと終わらせるに限る。
俺は口元を吊り上げて、引き金を引く。
16番ゲージのショットシェルから吐き出された弾丸が、
一塊になって無防備な獣の後頭部を抉り取った。
獣が吼える。
振り向いたその漆黒の目には、確かに怒りが浮かんでいた。
だが、その動きはいまだに軽快で、まだまだくたばりそうにない。
俺はウンザリしながら引き金を引き続けた。
コイツは結構時間がかかりそうだぜ……やれやれだ。
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