04.25.17:03
[PR]
03.11.01:19
インドネシア探訪記・スンバワ編
--行動報告書 No.68 2005/インドネシア スンバワ島--
本日のビーチの天気は晴天。
ただし、所により……。
サルの雨が降るでしょう。ってか?
飛び掛ってくるサルの群れを仰ぎ見て、俺はふとそんな事を考えた。
太陽が燦々と照りつけるビーチに出た瞬間、アチコチから奇声が聞こえる。
この土地に元々住んでたサル……まぁ、サルっつーかヒヒか。
パラサイトの影響で凶暴化したそいつらの咆える声だ。
どうにもインドネシアはこうした野生動物が繁殖しやすいらしい。
クラカタウの蛾と同じように、ビーチを埋めつくすサル、サル、サル。
なんつーか、来る所を間違えたんじゃねぇかと思うような数だ。
前に来た時は、初めて行く所の例に漏れず、タコ殴りにあった。
そん時は二度と来るかと思ったもんだが……。
得物も防具も、もちろん俺の腕も、あん時とは随分違う。
そうそう容易くタコられはしねぇだろ。
『挽肉屋』の薬室に初弾を送り込み、肩に担ぐと俺は無造作にビーチに足を踏み入れる。
ビーチに入った俺から、一番手近な場所にいたサルが咆えた。
それに呼応するように、アチコチに散っていたサルどもが集まってきた。
集まったサルどもは俺を遠巻きに囲むと、牙を剥き出しにして盛んに吠え掛かる。
威嚇か、それとも挑戦の雄叫びのつもりか。
……まあ、どっちでも構いやしねぇ。
マスク越しにニヤリと笑ってやる。
動物っても、手前が馬鹿にされてるってのは分かるもんだ。
俺の笑いが見えたのか、サルどもは一層大きな声で咆えた。
完全にヤル気になっている。
ま、そりゃコッチも望むトコなんだけどな?
肩に担いでいた『挽肉屋』を突きつけ、挑発するように軽く上下させる。
来いよ。久々に遊ぼうじゃねぇか。
その俺の動きを引き金にして、サルどもが一斉に砂を蹴った。
高々と跳躍し、その異常に発達した両腕を振り上げる。
元々サルって奴ぁ意外と腕力が強い。
そいつがパラサイトの影響でさらに強化されてるとなりゃ、
生半可な防具じゃ容易く骨をへし折られて、病院送りだろう。
前の俺がそうだった。
1発目でグロッキー、2発目でKOが基本のパターン、だった。
けど、今は違うんだなぁ……。
軽く飛び退り、間合いを離す。
俺が一瞬前まで立っていた所に、サルの群れが一斉に降り注ぎ、砂煙が上がる。
何発かが俺の体を掠めるが、行動不能になるほどの衝撃は来ない。
十分許容できる範囲だ。
只でさえ、特殊部隊向けに作られた制服。その上、俺が身に付けたコイツは、
その材質にこだわって、入念に改造した代物だ。
対弾・対刃・対衝撃。まさに何でもござれときてる。
今までの半分以下の衝撃に、思わず笑いがこぼれる。
だが、サルどもにはそんな俺の違いなど理解できるはずも無い。
砂煙が収まるより早く、再び跳躍した。
1度でダメなら、二度三度ってわけだ。
その飛び跳ねる様はサルというより蚤やバッタを連想させる。
最初に来た時は驚いたもんだが……もう慣れた。
そして、慣れればその跳躍力は逆に利用できる。
跳ねるって事は、羽が付いてるんじゃあない限り着地まで身動きが取れないって事だ。
俺は無造作に『挽肉屋』の銃口を上に向けると、限り無く適当に引き金を絞る。
……的はいくらでもある。クレー射撃より楽なもんだぜ。
轟音。悲鳴。そして、降り注ぐ血。
空中で避けることも出来ず、まともに散弾を喰らったサルが無様に落ちる。
……天気予報を、ちっと修正しねぇとな。
本日のビーチの天気は快晴。
ただし、所により……。
血の雨が降るでしょう、ってなぁ!
本日のビーチの天気は晴天。
ただし、所により……。
サルの雨が降るでしょう。ってか?
飛び掛ってくるサルの群れを仰ぎ見て、俺はふとそんな事を考えた。
太陽が燦々と照りつけるビーチに出た瞬間、アチコチから奇声が聞こえる。
この土地に元々住んでたサル……まぁ、サルっつーかヒヒか。
パラサイトの影響で凶暴化したそいつらの咆える声だ。
どうにもインドネシアはこうした野生動物が繁殖しやすいらしい。
クラカタウの蛾と同じように、ビーチを埋めつくすサル、サル、サル。
なんつーか、来る所を間違えたんじゃねぇかと思うような数だ。
前に来た時は、初めて行く所の例に漏れず、タコ殴りにあった。
そん時は二度と来るかと思ったもんだが……。
得物も防具も、もちろん俺の腕も、あん時とは随分違う。
そうそう容易くタコられはしねぇだろ。
『挽肉屋』の薬室に初弾を送り込み、肩に担ぐと俺は無造作にビーチに足を踏み入れる。
ビーチに入った俺から、一番手近な場所にいたサルが咆えた。
それに呼応するように、アチコチに散っていたサルどもが集まってきた。
集まったサルどもは俺を遠巻きに囲むと、牙を剥き出しにして盛んに吠え掛かる。
威嚇か、それとも挑戦の雄叫びのつもりか。
……まあ、どっちでも構いやしねぇ。
マスク越しにニヤリと笑ってやる。
動物っても、手前が馬鹿にされてるってのは分かるもんだ。
俺の笑いが見えたのか、サルどもは一層大きな声で咆えた。
完全にヤル気になっている。
ま、そりゃコッチも望むトコなんだけどな?
肩に担いでいた『挽肉屋』を突きつけ、挑発するように軽く上下させる。
来いよ。久々に遊ぼうじゃねぇか。
その俺の動きを引き金にして、サルどもが一斉に砂を蹴った。
高々と跳躍し、その異常に発達した両腕を振り上げる。
元々サルって奴ぁ意外と腕力が強い。
そいつがパラサイトの影響でさらに強化されてるとなりゃ、
生半可な防具じゃ容易く骨をへし折られて、病院送りだろう。
前の俺がそうだった。
1発目でグロッキー、2発目でKOが基本のパターン、だった。
けど、今は違うんだなぁ……。
軽く飛び退り、間合いを離す。
俺が一瞬前まで立っていた所に、サルの群れが一斉に降り注ぎ、砂煙が上がる。
何発かが俺の体を掠めるが、行動不能になるほどの衝撃は来ない。
十分許容できる範囲だ。
只でさえ、特殊部隊向けに作られた制服。その上、俺が身に付けたコイツは、
その材質にこだわって、入念に改造した代物だ。
対弾・対刃・対衝撃。まさに何でもござれときてる。
今までの半分以下の衝撃に、思わず笑いがこぼれる。
だが、サルどもにはそんな俺の違いなど理解できるはずも無い。
砂煙が収まるより早く、再び跳躍した。
1度でダメなら、二度三度ってわけだ。
その飛び跳ねる様はサルというより蚤やバッタを連想させる。
最初に来た時は驚いたもんだが……もう慣れた。
そして、慣れればその跳躍力は逆に利用できる。
跳ねるって事は、羽が付いてるんじゃあない限り着地まで身動きが取れないって事だ。
俺は無造作に『挽肉屋』の銃口を上に向けると、限り無く適当に引き金を絞る。
……的はいくらでもある。クレー射撃より楽なもんだぜ。
轟音。悲鳴。そして、降り注ぐ血。
空中で避けることも出来ず、まともに散弾を喰らったサルが無様に落ちる。
……天気予報を、ちっと修正しねぇとな。
本日のビーチの天気は快晴。
ただし、所により……。
血の雨が降るでしょう、ってなぁ!
PR
- トラックバックURLはこちら