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気まぐれ不定期更新。 ネットゲームのプレイ日記やらなにやら。 最近はドラゴンネストが中心。E2は付いていけなかった。
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04.26.13:31

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  • 04/26/13:31

07.10.04:07

【RP日記】たとえ嘘吐きと呼ばれても。

よう。俺だ。
相変わらずの避難所暮らしだが、まあまあ上手くやれている。

金集めは日本よりこっちの方が楽だな。
物資不足のせいもあるのか、アップグレード用の素材の買取額が高いおかげで、
懐はそれなりに潤っている。
そのおかげで、今日は武器が新調できた。

俺は相変わらずの乱射好きなんで、得物はやっぱりマシンガン。
轟音と共に群がるゾンビどもを薙ぎ払う快感は、一度やったら病み付きってもんだ。
んで、今までは昔も世話になったM60軽機関銃を使ってたんだが、
それを初期改良バージョンのM60E1に取り替えた。
なまっていた体も、戦いを繰り返すにつれて少しずつ昔の勘を取り戻してきている。
で、そろそろM60E1を扱える程度の頭が戻ってきたんで、買い換えたってわけだ。
M60も悪くはないんだが、手を加えてやんねぇと火力がちょっとな……。
今の段階じゃあ手を加えるよりも上位のを買った方がいいみてぇだし。
丁度いいだろうってことだ。

で、買い換えたらそれを試し撃ちしたくなるのが人情。
だから、試射のついでに避難所の連中から頼まれていた仕事を片付けることにした。

……その中の一つで、俺は嘘を吐く事になる。

依頼人の名前はジェイミー・サリソン。その娘のロイエンからの依頼をこなした後、
「夫を探して欲しい」という依頼を受けた。
話を聞いてみれば、ジェイミーの夫であるルーク・サリソンは、
この避難所にも電力を供給しているフェニックス工業団地で
エンジニアをしていたそうだ。
彼はこの騒ぎが起こった時、現場のトラブルに対応するため、
ジェイミーたちと一緒に避難せず、工業団地に残ったらしい。
夫が無事なのかどうか、確かめてきて欲しいというのがそもそもの依頼だった。

その依頼は、達成まで後一歩の所まで来ていた。
ルークは工業団地にはいなかった。
フェニックス社の私有地にある11号トンネルに向かったらしい。
で、11号トンネルでは奇妙な粘液があふれ出していて、
ルークは調査団の一員として、それを調べにトンネルの奥へ向かった。
そこまでは掴んでいたんだ。

だが、その11号トンネルというのはえらく厄介な場所だった。
明かりがほとんどねぇ暗いトンネルの中、
ゾンビどもとは毛色の違う変異体どもがうじゃうじゃいやがった。

そいつらは揃いも揃って呆れるほど強靭な肉体と、
人間を軽々と挽肉にしちまうような馬鹿げた攻撃力を持っていた。
ついでに、人間を見たら即座に襲い掛かる凶暴さもな。

そんな奴らが蠢くトンネルの奥に、ルークはいた。



……変わり果てた、姿でな。

戦闘中に取った画像だから、ちと分かりにくいかもしれねぇ。
俺の右上にいるのがそうだ。
元がどうだったかなんてわかりゃしねぇ。
体は俺の倍ほどもあるし、顔だと思う部分にはデカい口が二つ並んでやがった。
人間だった頃の理性はとっくに消し飛んじまってたらしい。
俺を見るなり、ソイツは唸り声と共に襲い掛かってきた。

口から吐き出す緑色の液体と長く太い腕を武器に、ソイツは暴れ回った。
それをギリギリのところでかいくぐり、隙を見てM60E1の銃弾を叩き込む。
正直、新しくしたコイツでも効いているのかどうかが怪しい。
どれだけ叩き込んでも、ソイツの動きは鈍らなかった。
オマケに、油断してると一緒にいた調査団の成れの果てなのか、
別の変異体が現れては、毒性の霧を撒き散らしてきやがる。
防具も新調したってのに、それを易々と貫通してくるんだからたまらねぇ。

戦いは長く掛かった。

そろそろ弾数がヤバくなる頃、ようやくソイツは地面に倒れた。
辺りはソイツの体液に、変異体の肉片や屍骸で目を覆いたくなるような有様だった。
そんな惨状の中、トンネルの中でかすかに光を跳ね返す物を、俺は見つけた。

それは、指輪だった。

俺が倒したソイツが、ルーク・サリソンであることを証し付ける物。
その指輪には、確かにジェイミーの名前が刻まれていた。

そして、俺は避難所に戻ってきた。ジェイミーの元に向かう。
正直、気は進まなかった。だが、結果を伝えないわけにはいかねぇ。
ジェイミーは、俺の顔を見るなり旦那の安否を聞いてきた。
その顔が、旦那が生きている事を信じて疑ってないのを見て、俺は顔を背けたくなった。
そんな俺を見て、ジェイミーも旦那がどうなったのかに気付いたようだった。
ジェイミーの表情が、暗い悲しみに沈んだ物になる。
俺は、拾ってきた指輪を取り出し、ジェイミーに渡した。
やはりこれはルークの持ち物だったらしい。結婚指輪、だそうだ。
そして、彼女は何故これだけ持ち帰ってきたのかを尋ねてきた。

……何て言えばいいってんだ?
旦那はとっくに変異体になっちまってたから、ミンチにしてきたって言えってのか?
……冗談じゃねぇ。

だから俺は、嘘を吐く事にした。

真実がいつも人を救うとは限らねぇ。
嘘を吐くことが必要な時だって、あるはずだ。

ジェイミーには、旦那は事故で死んだと伝えた。
崩れ落ちたトンネルに埋もれた仲間を助けるため動いていたが、
自身もまた、崩落に巻き込まれてしまったのだ、と。
遺体は瓦礫の下に埋まってしまっていて、持ってこれなかった。
けれど、この指輪だけは何とか回収できた。
そんな嘘を、でっち上げた。

そして、ジェイミーはそれを信じた。
もしかしたら、真実に気がついていたのかもしれない。
それでも彼女は涙を浮かべながら俺に礼を言い、報酬を渡してきた。

……これで、この依頼は終わりだ。
だのに、後味の悪さばかりが残る。
ここでの仕事はどれもこれもこんなのばっかりだ。

ここに救いはねぇってのか? クソッタレ……。
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